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  • おうつり

    2018/05/02

    ブログの読者の方から「おうつり(お移り)」について質問がありました。

    そもそも、お移りの習慣が無い地方の方には何のことかわからないと思いますが、
    お移りとは、いただきものをした時の返礼のことで、主に関西に昔からある習慣のようです。
    いただきものをした時にすぐにその場でお返しすることもありますが、後日容器をお返しするときなどに渡す場合もあります。


    質問の内容を要約すると、次のようになります。

    ・おすそ分けをいただいた容器にお移りを入れる場合はどのようにしたらいいのか。また、懐紙をおうつりに使うとしたら何枚ぐらい入れたらいいのか

    ・容器に柄がある場合、懐紙の輪は右にしたほうがいいのか左のほうがいいのか。

    ・懐紙は無地がいいのか、柄が入ったものがいいのか。


    私からの答えは次の通りです。(少し書き換えている部分もあります。)
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

     お移りは、京都では半紙をお返しすることが多かったようですが、現在、半紙をいただいていも使いみちがあまり無いように思います。
     昔、紙が貴重品だった時には喜ばれたのでしょう。
     お移りは、マッチなどの日用品だったこともあると聞いていますが、今はマッチも使わなくなりました。

     その点、懐紙でしたら何かと使うことができますので、こちらの方がもらってうれしい、と私は思います。
     実際に使えるものをお返しするという観点から言えば、懐紙をお移りにしても何ら問題はありません。
     懐紙も、無地ではなく柄の入ったもののほうが、もらう立場から言えば嬉しいでしょう。
     実際に販売していて、お客様からそのようなご意見を何度もお聞きしました。 

     なお、基本的には一枚というより一束のほうが一般的だとは思います。
     お渡しするときは容器に入れても、添えても結構です。
     小さく折りたたむより添えたほうがいいでしょう。


     一枚なのか数枚なのか一束なのかは、お気持ち次第だと思います。
     いただいたものにもよりますし。

     そのほか、社内では次のような意見もありました。

     ・一枚にするならお菓子などを包んで入れる(この場合は大きめの懐紙のほうが包みやすいかもしれません)
     ・有難うの一言を書いて入れる
     ・手紙を送るときに白紙の便せんを一枚入れるのと同じ??
     ・封筒に入れてはどうか

     などなど、参考までにお知らせします。


     容器に入れる場合またはお渡しする際に、こだわるのであれば、もらう方から見て輪は右に来るようにした方がいいでしょう。

     なお、現代の生活では、お移りはどうしても必要というわけではないと思います。
     実際、いただいく機会はあまりなくなってしまいましたし、 そのような習慣を知らない方も多いようです。

     
     感謝の気持ちを表す方法としてお移りを差し上げる習慣があるのなら、続けた方がいいでしょう。
     お返ししていただいた入れ物に、きれいな柄の懐紙が入っていたら、ちょっと嬉しくなりますよね。
     かえって心苦しくなるほど値の張るものでもありませんし。


     初めてお渡しする方には、よろしければお使いください、と一言添えたほうがいいかもしれませんね。
     知らない方も多いようですから。

     おうつりは、いただいたことへの感謝の気持ちを表すもの、と考えています。
     あくまでも、形ではなく心を大切に。

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