懐紙の紙質~辻徳のこだわり
暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
辻徳は、3か月間の京都マルイ出店を終えて、ほっと一息ついているところです。
さて、今日は辻徳の懐紙の紙質についてご説明したいと思います。
実は今月初め、お客様から「もっと紙質を改善してほしい」というお声を頂きました。
ですが、実は辻徳の懐紙は私が自分で使ってみて最適と思うものを
メーカーに依頼して漉いてもらっています。
そのことをあまり説明してこなかった責任を痛感しました。
■辻徳の懐紙へのこだわり■
辻徳の懐紙は、オーナーの私が自分で使って
最も良いと思う紙厚に仕上げてもらっています。
懐紙は御菓子を乗せるだけでなく、ポチ袋や便箋、
時にはハンカチ代わりにすることもあります。
その場合、折っている間に毛羽立ったり、
水分を吸うともろもろとしてまうことがあり、字も書きにくいので、
もう少し厚めに、とお願いしています。
そう、辻徳特別仕様の紙なのです。
表面がつるつるしているという声を聞くことがありますが、
印刷をする関係で印刷機を通すには平滑でないと紙詰まりを起こします。
今の状態でも、印刷屋さん泣かせで大分苦労して頂いています。
柔らかいのが和紙、というイメージを持っている方が多いようですが、
そうとは限りません。
余談ですが、表面が平滑でなく、ざらざらとしているのが和紙、
と思っている方も多いのですが、
実は和紙の特徴として、表面はつるつる、裏側はざらざらとしています。
これは、和紙の漉き方の特徴によるものです。
また、辻徳の懐紙は御菓子に付きにくいのも特徴の一つです。
辻徳の懐紙には2つのタイプがあります。(漉入れを除いて)
一つは吸水性の良いもの(にじみ止めなし)、
もう一つはゆっくりと吸水するもの(にじみどめあり)。
以前、羊羹や上庸饅頭を置いて試したことがあります。
吸水性の良いもの(にじみ止めなし)・・・10分以上大丈夫でした。
ゆっくりと吸水するもの(にじみどめあり)・・・1時間後も問題ありません。
「にじみどめあり」の懐紙でも全く水分を吸わないわけではなく、
直接水に濡らしたりするとゆっくりと滲んできます。
「にじみどめあり」の懐紙は、文字を書いたり、茶道をする方からご要望が多いようです。
(なお、弊社の漉入れ懐紙は辻徳仕様の紙質とは違い、一般的な懐紙と同じ紙質になっています。)
まだ100%私の理想の懐紙にはなっていないとは思いますが、、 使ってみたからこそ、この紙に行き着いたのです。
これからも、こだわりは保ちつつ、より良い商品を作っていきたいと思いますが、
それには、何よりお客様の声が大切です。
独りよがりにならないよう、一人一人のご意見に真摯に耳を傾けてきたいと思っています。
辻徳では、お茶席だけでなく、普段から懐紙をおしゃれに使う方法をご提案しています。
普段使いできるポップな柄や古典をモチーフにしたものなど、多数取り揃えております。
また、懐紙のオーダーメイドも承りますので、お気軽にお問い合わせください。
●辻徳の商品はネットショップからご注文いただけます。